エコプロダクツ2011 ステージトークショー レポート

ステージトークショーの様子
ステージトークショーの様子

2011年12月、エコプロダクツ2011にて「森と木を活かした日本の暮らし~東北復興グリーンウェイブ~」と題したトークショーが行われました。生物多様性と暮らしがどのようにつながっているのか、三人の登壇者がそれぞれの活動を通して思うことを話し合いました。

【登壇者】

  • 川廷昌弘 (国連生物多様性の10年日本委員会 委員、「生物多様性と子どもの森」キャンペーン実行委員会 実行委員長、一般社団法人CEPAジャパン 代表)
  • 大塚玲奈 (エコトワザ 代表、フォレスト・サポーターズ)
  • 清水英二 (「生物多様性と子どもの森」キャンペーン実行委員会 実行委員、子どもの森づくり推進ネットワーク 代表)

「森と木を活かした日本の暮らし~東北復興グリーンウェイブ~」

生物多様性を自然の保全を超えた概念に

川廷 このトークセッションは森をテーマにお届けします。進行の川廷と申します、よろしくお願いします。子どもの森づくり推進ネットワークの清水さん、エコトワザの大塚さんと進めていきます。 まず自己紹介がてら、私の関わっている活動についてお話します。「生物多様性と子どもの森」キャンペーンは、子どもたちが「自然の恵み」とともにある豊かな暮らしに感謝しながら、その営みを楽しめる大人へと育っていってほしいという活動で、実行委員長をやらせて頂いています。全国で青少年を対象として森づくりに取り組んできた多くの団体の方々と一緒に、初めてこういったプラットホームをつくりました。独自のパンフレットを作ったり、現場で活動しています。それから代表を務める一般社団法人CEPAジャパンは、生物多様性をもっと身近に感じてもらうために、国内のコミュニケーションのプロ達が集まって「広報・教育・普及啓発(CEPA)」に関する情報共有・そして推進の場として設立しました。 さて、生物多様性について次の文章があります。「人類は生物の多様性のもたらす恵沢を享受することにより生存しており、生物の多様性は人類の存続の基盤となっている。また生物の多様性は、地域における固有の財産として地域独自の文化の多様性も支えている。」これ、法律の前文です。「生物多様性基本法」なんてあまりお読みにならないと思いますが、生物多様性は私たちの生活基盤そのもので、地域における固有財産と言っています。さらに独自の文化とも。文化の多様性まで政府の基本法で書かれています。言い換えると「生物多様性」とは私たちの 社会、経済、文化の基盤であり、もっと言うと自然との共生をしてきた 日本人の精神の基盤とも言えるんじゃないでしょうか。生物多様性というと、生物の保全とか自然を守ろうという活動と思われがちです。もちろん大切なんですが、実は私たちの暮らしを支えているもの、暮らしに直結したものなんだという理解が基本法の中でも言われているわけで、これまでの保全というイメージをとっぱらえないかなと思っています。 国連では、「国連生物多様性の10年」というのが定められています。これは日本の市民団体が提案をして、日本の政府案になって、去年の12月の国連総会で決められたことです。今年の1月から始まって、ほぼ1年経ちます。日本は政府案として出したものですからやはり世界でも率先して、自然と共生してきた日本人として、世界に発信していこうという動きが始まっています。 10年にはいろんなマイルストーンがあって(*1)、1年目の今年(2011年)は国際森林年です。森からいのちのつながりを考えようと。森が水を育み、私たちの暮らしそのものの原点にもなっていると思いますので10年のいいスタート。来年6月には地球サミットがあります。20年前のリオサミットで地球との約束を私たち人間が、大人たちがこの20年どうしてきたかを確かめる、いわば世界の環境会議です。それから2013年は「気候変動枠組条約」のポスト京都です。低炭素社会は自然との共生、自然の恵みがあってこそ考えていけるものです。

2014年には「持続可能な開発のための教育の10年」の最終年をむかえ日本で国際会議が開催されます。2015年は、2000年から15年活動してきた「ミレニアム開発目標」という貧困撲滅の最終年。毎年これだけの課題、活動があり、さらに日本は東日本復興という大きな課題をつきつけられています。 森づくりをしている人、リオに向かっている人、気候変動でがんばってる人、地域づくり、環境教育、貧困撲滅に取り組む人、そして東北で我々が立ち向かっていること、いろんな活動がありますけど、目指すのはひとつじゃないかと考えています。さまざまな地域で自然の恵みに支えられた暮らしを作ることが、実はグローバルな課題と各地域の課題とがつながる。国境を超え、手をとりあっていくことが大事ではないかと。その原点に命と水を育む森があるんじゃないかと思っています。 一番大切なことは何かといいますと、国際条約で言われている難しいことを、暮らしとつなげることです。地球の問題は待ったなしですが、私たちの日々の積み重ねがすべて影響しているのではないかと、私たちも気づいてると思うんですね。条約は難しく見えますが、各地域での活動が実は国際条約のこのことに当てはまる、地域の変化が条約の実現につながるということを見えるようにしていくと、地域のテーマとか方向性、本当に目指すべきものがわかってくる。つまり、みなさんが「現代の伝承者」になっていこうじゃないですか、という話だと思うんですね。グローバルで言われている難しそうなことも、基本的には地域の取り組みがすべてを説明していると思うわけです。 ではここからは、地域でいろんな活動をしているお二人に、具体的な話を聞いてみたいと思います。まずは森の中で、お子さんと一緒に森づくりの取り組みをしている清水さんから。

ジョグラグ氏(中央)を囲んで、トークショーに登壇した清水氏(左から2番目)、大塚氏(左から3番目)、川延氏(右から3番目)、主催者
ジョグラグ氏(中央)を囲んで、トークショーに登壇した清水氏(左から2番目)、大塚氏(左から3番目)、川延氏(右から3番目)、主催者

子どもに五感で訴求する自然体験を

清水 ご紹介いただきました、子どもの森づくり推進ネットワークの清水です。私たちの活動では幼少期の体験を重要視しています。ご存知の通り、今の子どもたちはデジタルというか、今までにないバーチャルな環境に取り囲まれていまして、本物の体験が不足しています。子どもは五感で訴求する本物の体験でのみ育まれます。ある世代までは自然とそういう環境がありましたが、今の子どもたちには徹底的に欠落している、本当に危機的な状況でして。どうしたら継続的に深く関われるのかという試行錯誤の中で、私たちは全国の幼稚園、保育園さんを拠点に活動させて頂いております。そこで子どもたちが森に出かけて、主にどんぐりを拾って園で育て、森や広場に植えるという一貫した森づくり活動を通じて、本物の自然と環境を体感する。園でそれをプログラム化してもらって、継続して頂くということと、幼稚園や保育園がお持ちの大きなネットワークによって全国に普及するという戦略です。 で、どういう風景が広まるかといいますと、1年目にどんぐりを拾ってプランターに植えて、園で育てるということで、子どもたちが育つ植物を見守っているという状況です(*2、3)。2年目の、園のプランターで苗木を育てるところを重要視しています。今の子どもたちはお母さんと過ごすよりも長い時間を保育園、幼稚園で過ごしているわけで、園でこういう小さな森、自然の環境を勉強することが、非常に重要かと思っております。3年目には森だけでなく、園庭や公園、いろいろな所に苗木を植え替えます。この子どもさんたちは、手をかざして「苗木さん大きくな~れ」と言ってるんじゃないかと思います(*4)。立ち会ってないからわからないですけれど。 私たちの活動は2008年からはじまり、2010年にフラッグシップ園というネットワークが構築されました。活動を支援いただいている日本郵政グループさんと協働で、各都道府県に一園、東京都はたくさんの園があるので二園、その地域の拠点園として活動している全国ネットワークです。おかげさまで、全国の都道府県でどんぐりを拾う活動をするまで、2010年の段階で成長しました。さあ2011年、苗木マークがたくさんついています(*5)。今年、全国36カ所に、ちっちゃいけどいろんな子どもの森が生まれました。活動はこれからも続きます。 川廷 森を子どもたちと一緒に作ろう、自然に触れさせようというお話でしたが、次は大塚さんから森から生まれたものでどんなことをしていらっしゃるのか、お話をお願いします。

暮らしの中で取り組む生物多様性

大塚 株式会社エコトワザの大塚玲奈と申します。エコトワザという名前、エコはエコロジー、それにワザ、匠の技という作り手のワザもあるのですが、それに加えて、私たち使い手側の生活の知恵というのも含めた意味が込められています。日本全国にはたくさんの環境によいものがあって、自然と寄り添った素敵なものづくりをしていらっしゃるんです。それを集めて、日本語と英語のバイリンガルで国内だけでなく海外にも販売しています。いつもは特に意識して木のものを集めているわけではなくて、例えば岩手の南部鉄器で作ったフライパン、オーガニックのタオル、ほんとにいろんな日用品を集めてるんですが、今年が「国際森林年」ということで、何か森の特集をしたいなあと思いまして。木、森の恵みをいろいろ探してみたんですね。木の製品っていうと、木彫りの熊とかを思い浮かべると思うんですけど、私も最初そういうことを考えていたら、とても多様に見つかったので、いくつかご紹介したいと思います。 これは高知県の桜の洗濯板ですね(*6)。昔、使ってた方もいらっしゃるかもしれません、靴下とか襟の汚れをとるにはすごく便利なんです。桜の木なので適度なかたさがあって、ワイシャツとかの布がいたまない、そういう力があるので重宝します。これはアロマです(*7)。日本のアロマオイルってほとんどが海外産のものですが、実は日本国内に生えている、普通の森の中にある木からも素敵なアロマがとれます。たとえばアスナロは防虫効果があって虫よけスプレーとしても使えたり、クロモジはよく楊枝に使われてますけど、心のバランスを整える効果があると言われていたり。ミズメザクラは昔、飛騨高山の木こりのが、腰が痛いときに切り株に腰かけると腰痛がよくなったと言われてまして、調べたらサロンパスに入っているようなサリチル酸メチルという成分が入っているそうで、昔の人は知ってたんですね。そういったものから心身に効果のあるアロマオイルができあがっています。そしてこれ、すごくかわいいですよね、北海道のカバの木からできているおもちゃです(*8)。ひっぱるとコロコロして、木育って最近言いますけれども、木との付き合い方や森の恵みについて学ぶ第一歩として、最適なおもちゃだと思います。こちらはおままごとセット(*9)。自分が欲しくなっちゃいますけど、高知県のサクラとかヒノキとかスギとかいろんな木を組み合わせて作ったセットです。これも子どもにとっては、木の質感や色がそれぞれ違うことを学ぶためにいいものだと思います。 これはヒノキの桶ですね(*10)。ヒノキと言えばお風呂ですが、油分が豊富なのでかびにくいといわれています。防虫防菌効果もあって水場に適した木なんですね。それからしょうのうです(*11)。昔懐かしいおばあちゃんのにおいだと思います。今は防虫剤はほとんどが合成化学物質でできたものですが、これはクスノキからとっています。宮崎の製材屋さんでチップがたくさん出るので、それを蒸留して伝統的な技法で作っています。こういうふうに、いろんな木の恵みがあることが今回よくわかりました。

川廷 いろんな木の種類、いろんな木の恵みというものを、大塚さんが一通り話してくださいまして、まさに「現代の伝承者」になっているという、そんな印象をもちました。これが、自然の恵みなんだなと。昔の人たちが取り入れてやっていたことを少し忘れてしまって、高度経済成長に合わせて変わってしまった、それをまた楽しく暮らす方法として思い出すことで、生物多様性が身近に感じられるかなと思いました。

東日本大震災後、森とともに歩むグリーン復興

川廷 さて、今年震災で大きな被害を受けた東日本にも多くの森がありますが、お二人も東北のグリーン復興に関わっていますか。

清水 被災地での取り組みを少し紹介します。放射能の問題とか、津波の被害があって、被災地の幼稚園・保育園は園外活動が非常にしづらいと聞いてます。運動や体験不足になって、子どもさんたちの発達に障がいがおきてしまうこともあるわけです。こういう時だからこそ、私たちは子どもの森づくり運動を積極的にご提案して小さなプランターを園に届けて、被災地で少しでも小さな自然の環境の体験をしていただこうと取り組みをスタートしています。 例えば、宮城県の拠点園に活動のスペシャルサポーターであるチェーンソーカービングの世界チャンピオンの栗田さんにご出向いただいて、子どもたちが見ている目の前でチェーンソーを使ってプランターを作りました(*12)。私たちのプランターはだいたい間伐材からつくったオリジナルの木のものなんですけど、デモンストレーションということでその場で作っていただきまして、その拠点園からお友達の他の被災地の園、被災された家に届けていただきました。こういう活動も続けていきたいなと思っております。また現実問題としては、除染活動も必要になってきますので、私たちは専門の団体ではないんですけど、自分たちなりに除染活動のサポートも継続的にしております。

川廷 森づくり側、フィールド側でのサポートをしているのですね。一方で、私たちが他の地域でお手伝いできることはきっと東北でできたものを買って使うこと、そういったことを大塚さんは考えられたのだと思うんですけれども。

大塚 はい、当初はもちろん寄付やチャリティ販売もさせて頂きましたが、やはり長い目でこれから何年間も一緒に復興していかないといけないという観点で考えました。東北の素敵なものをみなさんにお届けして、日常生活で使っていただく、そのために東北のいろいろな産地の日用品を紹介することにしました。いくつかお話します。杉のペン立て(*13)、これもやっぱり間伐材を使っています。宮城県の津山町という8割が山林の町で発達した矢羽細工という方法でつくっています。あと珍しいんですけど、アケビとかヒロロとかのツルを里山で拾ってきて、採れた分だけ作っているかご(*14)。ツルの色や質感や強さが植物によって全然違うので、味のあるかごに仕上がります。あと岩手の漆器(*15)。忘れがちですが、漆も中は木地なんですよね。外側の漆自体も木の恵みでできているものなので、とっても軽いですし、口あたりがいい、日本独自に森から発展したものなんじゃないかと思います。それから組手什(*16)。組手っていう釘を使わない建築技法を応用した棚づくりキットですね。2mぐらいの木がたくさん届きまして、この棚は私が鋸で切って組み立てたんですが、木が組みあわさっているのが見えますか。こうやって好きな本棚とか作れるんです。写真は鳥取県の商品ですが、板は製材の経験があるところだったらどこでもつくれるということで、今は宮城県登米町、被災地の外側になりますが、そのあたりで地元の木から作って販売もする予定だそうです。震災の直後、間仕切りや子どもたちの机として避難所でも貢献したそうです。あとちょっと北の方にいきますが、青森ヒバを使ったまな板です(*17)。ヒバも抗菌作用があって、一枚板だとちょっと反りやすく使いにくいんですが、こうやって端材をいくつか組み合わせることで反りにくい板を作る、これは現代の知恵だと思います。こういったものを皆さんが日常的に使うことで東北を応援することができて、森づくりにも貢献できるんじゃないかと思います。

川廷 お二人の話を聞いていて、今までは森をつくることと木の恵みを使うことがバラバラに考えられていた、でも実はいっしょに考えるべきで、子どもたちが植えたものが、大人かそれこそおじいさんおばあさんになった頃には孫たちが使う商品になるかもしれない。自然のサイクル、自然の営みっていうのを森は教えてくれるなと感じました。 東北の災害は、暮らしが自然に支えられていることを改めて考えさせてくれているんだと思うんですね。自然への畏敬の念をもって日本人は暮らしてきたはずなのに、便利なものに頼ることで、少し忘れてしまった部分もあるんじゃないかと思います。震災を機に経済最優先ではなくて、自然に支えられた暮らしを考えながら、経済も前にすすめていくグリーン復興をしなくてはいけないんじゃないか、森がいろいろ教えてくれるんじゃないかと思いました。

子どもたちがグリーン復興の一員として活躍、どんぐりプロジェクト

川廷 さて、スペシャルゲストの生物多様性条約事務局長のジョグラフさんが、一生懸命世界に対して発信されている「グリーンウェイブ」という取り組みがあります。5月22日は条約が誕生した日なので「国際生物多様性の日」となっていますが、その日を記念して全世界で朝の10時にみんなで木を植えて、生物多様性のことを考える時間にしようというキャンペーンです。全世界で10時に木を植えれば、地球は回ってますので、まるでウェイブのようになる。ホームページではこのウェイブの様子が見られるようになっています。東日本の復興から始まる「グリーンウェイブ」のプロジェクトについて、清水さんからお話していただければと思います。

清水 はい、「生物多様性と子どもの森」キャンペーン実行委員会が構成団体のひとつとなって、「どんぐりプロジェクト」というのをスタートしました。立場がかわりまして、今度はその事務局として話します。東日本大震災の被災地に緑の心の復興をということで、全国の子どもたちが被災地のどんぐりから苗木を育てて、被災地に送り返してそこで植えることで、被災地の緑の復興を応援する活動です。ミッションは被災地と全国の子どもたちをつなぐこと、その活動を通じて心が育つこと、それから被災地の森の撹乱を防ぐということがあります。被災地で木を植える活動が増えていくと広葉樹の苗木が不足してくる、不足するとその土地にもともとはない苗木が植えられてしまって、遺伝子の撹乱がおきてしまう。私たちの活動も生物多様性がテーマですので、撹乱の防止に貢献するという意味合いもこめて、こういう活動をスタートしました。 現在、3つの目標を掲げております。3年間で10万人の参加者、被災地で採取した種子から10万本の苗木を育てる、その苗木で被災地に40ヘクタールの面積を所有する。今年の秋からどんぐりを拾って、育てる方を募集する取り組みを始めました。このどんぐりプロジェクトを企業さんや団体、いろんな方にご支援いただきたい。ホームページもご覧ください。ぜひよろしくお願いいたします。

川廷 被災地の子どもと全国の子どもを、どんぐりでつなごうというプロジェクトですね、それが遺伝子の撹乱を抑えて、それが生物多様性の学びになるという話がでてきましたが、大塚さん今の話を聞いてどう思われましたか?

大塚 素晴らしいと思います。私たちは日本のエコ技を英語で海外に伝える立場でもありますが、東日本が森と一体化して復興していることや、生物多様性の観点を入れて支援しているみなさんのような方がいる、それを伝えていきたいと思いました。

川廷 日本の「グリーンウェイブ」、これは日本ではもしかしたら「木のある暮らし」そのものを再認識すること、暮らし方を子どもたちと話していくことかもしれませんし、災害復興でみんなとつながることが日本の中での「グリーンウェイブ」をおこしていくことになるのかもしれないと思った次第です。日本の「グリーンウェイブ」の活動コンセプトを「木のある暮らしの再認識」と提議したいと思います。

アフメッド・ジョグラフ事務局長のメッセージ

トークショーの最後に、来日中のアフメッド・ジョグラフ事務局長が特別ゲストとして登壇。東北復興のグリーンウェイブと日本における生物多様性の10年について応援メッセージをいただいた。

アフメッド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長(当時)
アフメッド・ジョグラフ生物多様性条約事務局長(当時)

みなさんこんにちは。本日のイベントは、東北復興の「グリーンウェイブ」、それから「国際森林年」や「国連生物多様性の10年」を国内で広める素晴らしいイベントです。この場でご一緒できることを光栄に思います。「グリーンウェイブ」は、若者や子どもたちを生物多様性と結びつけるとてもユニークなイベントです。2010年から2020年にかけて「国連生物多様性の10年」というのは、日本がイニシアティブをとって国連総会で決定したキャンペーンで、その目的は2020年までに世界中の人が生物多様性についての理解を深めることです。また、生物多様性の80%は森林にあり、こうした重要性の認識を高めるため、今年2011年は国際森林年でもあります。

今年3月の津波は日本にとって国家的な大きな被害をもたらしました。これは我々生物多様性条約事務局を含め、日本の友人でもある世界中の人々にとっても大変な悲劇でした。しかしこれは日本にとって、自然と調和した社会を再びつくり出すためのチャンスでもあります。今回のことから、二度とこういったことが起きないような学びも得られたと思います。私たちは次の世代の市民である子どもたちの精神的な豊かさを活動のコアにおかなければならないと考えています。ですので、10万人の子どもたちが東北で40ヘクタールの土地を森林に戻していこうという「どんぐりプロジェクト」に大きな敬意を表します。

「グリーンウェイブ」にとっても、「国連生物多様性の10年」にとっても、また「国際森林年」にとっても、素晴らしい活動と思います。今回のステージを主催した「生物多様性と子どもの森」キャンペーンのCEPAジャパンをはじめとした各団体の皆様、共催者であるオイスカや国土緑化推進機構、そしてどんぐりプロジェクトの関係者の皆様に、この場を借りて感謝の意を表したいと思います。子どもたちは、希望です。素晴らしい取り組みに改めて賛意を表して、ご挨拶にかえさせていただきます。

2012年1月16日に国連生物多様性条約事務局より、応援メッセージを含んだコミュニケ(公式声明)が発出されました。内容はこちらをご覧ください。